日本財団 図書館


 

突起物などにはトラマークを表示するなどの工夫が必要です。
また、甲板上の清掃の励行、油漏れなどがあればふき取るなど常に床面の安全に留意しなければなりません。
さらに、滑り止め対策としては、滑り止め桟の取り付け、滑り止めペイントの塗装、あるいは、滑り止めテープの取り付けなど、滑りによる「転倒」の防止には万全の対策をとらなければなりません。
三番目に多いのは、「転落・墜落」事故です。
転落・墜落とは、人が構造物から落下することですが、落下を防止するためには、構造物に対しては「不安全な状態」をなくすことです。
すわなち、転落・墜落のおそれのある所には、手すり、安全網、安全索を設けることです。
また、場所によっては注意標識の掲示も必要となるでしょう。
この他、力ーフェリーの災害としては、特に車両甲板において、換気不足による酸素欠乏事故が考えられます。
運輸省の「カーフェリーの安全対策の強化」という通達の中で、「車両乗下船時には、甲板及び壁で囲まれた車両区域においては、十分な換気を行うこと。
この場合完全に密閉された区域の換気能力は一時間に一〇回を標準とすること」という基準が決められています。
最近は機械通風による大容量の換気が行われるようになり、酸素欠乏による事故は少なくなっていますが、作業中の酸素濃度の測定及び空気呼吸器などの保証具の整備は怠ってはなりません。
船員災害防止協会では、カーフェリーの車両荷役時の遵守すべき一般的注意事項を次のとおりに定めています。
一、 車両区域には十分な照明を施し、車両の輪止め用ウェッジやラッシング用具などは、車両に踏みつけられるおそれのある場所には置かないこと。
二、 車両区域は、常に十分な換気を行うとともに、作業中は、防塵マスクを使用するなど、排気ガスや粉塵などからの防護措置を講じること。
三、 車両区域にあっては、保護帽、保護靴などの必要な保護具を着用するとともに、服装は一般乗客とはっきり区別できる目立ちやすいものを身につけること
四、 あらかじめ車両誘導に関する合図を定めておき、互いに合図を確認しながら作業を行うこと

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION